牛肉の食味に着日した客観的な肉質評価手法について

摘要

牛肉は私たちの食生活において重要な栄養源かつ美味をもたらす優れた食材であり、肉用牛産業は牛肉を生産、提供する役割を担うわが国の地域経済における重要な産業である。一方、牛肉の消費については近年やや減退傾向がみられ、牛肉離れも懸念されている。こうした中で、国民の豊かな食生活の実現に貢献するための牛肉質向上という観点から関心が高まっているのが牛肉の食味性、いわゆる「おいしさ」である。近年では牛肉の評価にこうした食味性を加味してはどうか、という動きが多く見られるようになっており、平成19年に鳥取県下で開催された第9回全国和牛能力共進会（肉牛の部）で新たに「脂肪の質」賞が設けられていたことは記憶に新しいのではないだろうか。