採卵鶏へのライストリエノールTM飼料添加が生産性，鶏卵中のコレステロールとどタミンE濃度ならびに過酸化脂質の生成に与える影響

摘要

未利用資源の有効利用のため，米ヌカからの米油精製過程で産出される副産物から調製された植物性油脂製品であるライストリエノール~(TM)（築野食品工業，和歌山）を飼料に添加し，白色レグホン種系採卵鶏の生産性と卵黄中のどタミンE，コレステロールなどの脂質成分に及ぼす影響を検討した．飼料にライストリエノールを0．5％添加した鶏群をライストリ工ノール区とし，無添加のものを対照区とした．各区50羽とし，151日齢から517日齢まで不断給餌した．適宜，採卵と採血を行い，試験終了時にニワトリの肝臓を採取した．鶏卵は卵黄中のコレステロール，チオパルピッール酉突反応生成物（TBARS），トコフェロール，トコトリ工ノqルを測定し，血清および肝臓中のコレステロール，トリグリセライドを測定した．ライストリ工ノール区では対照区に比べ，血清中のコレステ□－ルおよびトリグリセライド濃度は変化しなかったが，卵黄中のコレステロール濃度が平均約14％低下した（P＜0．95）．また，卵黄中のトコフェロ￣ル，トコトリ工ノール濃度はライストリ工ノ￣ル添加によリ420日厨では約2．8倍に増加し，卵黄中のTBARSは52％減少した（P＜0．05）．とくに，それらの効果はE］齢を経た鶏卵で顕著であった．産卵率，産卵日量，飼料要求率，卵白高，ハウユニット，卵殻厚にはライストリエノール飼料ブ恭加による有意な影響はみられず，ライストリ工ノール給与で卵重がやや増加し，卵黄色の明度ではし~*がわずかに増加し，色度ではa~*がやや減少した（P＜0．05）．以上のことからライストリエノールの飼料添加により，卵黄中のコレステロール濃度がやや低く，ビタミンE濃度が高く過酸化脂質の少ない鶏卵を生産性に悪影響なく得られることが示された．