トウモロコシの国際価格高騰と食への影響: NAFTA下のメキシコにおける「主食」の行方

摘要

トウモロコシの需要が高まり、高値をつけるなか、その消費、生産量でメキシコが関心を集めている。主食の卜ルティIIジャのメキシコ国内価格とトウモロコシの国際価格を比較し、その需給構造から、国際価格高騰と卜ルティ—ジャ価格上昇の関係とその背景を考察する。20000年に世界的な食料危機が報じられて以来、主要穀物全般で価格高騰が続いている。トウモロコシは、食用以外にも家畜飼料およびさまざまな加工品の原料として、またとくに近年ではバイオェタノールの原料としての需要が高まっていることから、その動向が非常に注視される作物である。その国際価格は、米国産地を襲つた干ばつの影響により2012年8月には1ブッシェル当たり8 .31ドルという歴代最高値を記録した。