市民会議「と農の未来と遺伝子組換え農作物」にパネリストとして参加して「市民会議」の実情と問題点

摘要

昨年日月、（社）農林水産先端技術産業振興センター（以下STAFF）の主催で－市民会議－「食と農の未来と遺伝子組換え農作物」　 が開かれた。 この市民会議は2000年に開かれた　 「遺伝子組換え農作物を考えるコンセンサス会議」を継承して開かれ、今回で4回目となる。 コンセンサス会議とは、抽選で選ばれた十数名の市民がパネリストとなって、社会的な合意の形成されていない科学技術のテーマについて各方面の専門家の訪を聞いたうえで議論をおこない、その結果を科学技術政策に反映させようという試みである。 日本では90年代の終わりごろから遺伝子治療やインターネット技術をめぐつて実験的におこなわれてきたが、行政組織がおこなったものとしては遺伝子組換え農作物に関するものがはじめてであった。 当初は関心の高かった会議だが、現在ではほとんど忘れ去られそうである。 しかし、消費者の意向なしにはあらゆる政策も決定できなくなりつつある現状を考えると、この種の会議は今後より多くの領域でおこなわれるようになる叶能性もある。