牛の輸液療法、基礎編: ナトリウムー1

摘要

前回は，Na濃度の異なる基本輸液剤を体液分配様式ならびに安全域に基づいてそれぞれの適用方法について紹介した。 輸液療法の主たる目的は体液および電解質の補正であり，溶媒である体液と溶質である電解質を補正することはすなわち体液濃度（濃度＝溶質／溶媒）を補正することである。 体液濃度を別の指標で表すと有効浸透圧（tonicityまたはeffective osmolality）になる。 つまり，我々は輸液療法において有効浸透圧を補正していることになる。 細胞外液（ECF；Extra－cellular Fluid）の有効浸透圧Posmは次式により算出できる。