黒毛和種牛における新生子虚弱の発生と病態に関する研究一要約－

摘要

黒毛和種牛における新生子虚弱の発生要因を明らかにし，その病態を解明するとともに，治療方法を確立する目的で以下の一連の研究を行った。 最近7年間に発生した，黒毛和種牛の死産（胎齢240日以上：155頑）と新生子死亡（生後14日以内：133頭）について，発生率，死亡原因，在胎期間，出生時体重および血統などを調査した。出生数6，475頭中，死産と新生子死亡の発生率は，それぞれ2．4％と2．1％であった。 死産例では原因不明の死産（69．7％），新生子死亡例では虚弱（59．4％）が最も多く，これらの出生時体重は，それぞれ19．2±7．5kg，19．7±6，8kgと著しく低かった。 原因不明の死産子では体重と在胎期間の間に正の相関がみられたのに対し，虚弱による死亡例では相関が認められず，在始期間も正常であった（図－1）。