神奈川県内のネギとタマネギにおけるアイリスイエロースポットウイルス（IYSV）の感染状況とネギアザミウマによる媒介率

摘要

アイリスイエロースポットウイルス（IYSV）は，1998年にオランダのダッチアイリスとリーキにおいて初めて発生が報告された（CORTES et al., 1998）。 その後同年にイスラエルのタマネギ（GERA et al., 1998），1999年にブラジルのタマネギ（PozzER et al., 1999），2001年にイスラエルのトルコギキョウ（KRITZMAN et al., 2001）で発生が報告されている。近年，我が国でもアルストロメl）ア（OKUDA et al., 2001），トルコギキョウ（土井ら，2003），タマネギおよびニラ（善ら，2005）にIYSVの発生が認められ，各地で発生の報告は年々増加している。 神奈川県内においても2003年にトルコギキョウとアルストロメリアに被害が認められ，04年には神奈川県農業技術センター（以下「農技セ」と略，神奈川県平塚市）圃場のタマネギとネギで感染が認められた。 ネギ類にはIYSVの媒介昆虫であるネギアザミウマが多く寄生するため（今井ら，1988），感染源植物として懸念される。そこで，神奈川県内各地域のネギおよびタマネギのIYSV感染の状況と農技セのネギ圃場におけるネギアザミウマのIYSV媒介率などを調査したので紹介する。