日本の畜産、私たちにできること

摘要

21世紀を前にして、日本の畜産は経済効率を求めるあまら、土から乖離し、自然から離れ過ぎたように思う。 牛は本来なら草で育っ。 しかし、現実にはそうではない。 例えば肥育牛だが、サシの入った霜降らと肉色の美しざや、肉質を求めるあまら、穀物飼料を重視し、生育途上でどタミンAを切る。 その結果、出荷間際の牛は人間でいえば糖尿病寸前の状態になる。 ももが渡れ、目は見えなくなら、内臓は廃棄処分寸前のものが多い。 しかも肉質を柔らかく保つためには舎内に閉じ込めたまま運動をさせず、肥育する。出荷時は1日前から水を飲ませないようにする。 肉色を美しく保ち、肉質を水っぽくさせないためだ。 そうも）う肉が最高の高級肉ときれる。 サシを重んじ血統を重視するあまり、近交係数が偏って生まれた子牛が小さかったり、じゅうぶん育たなかったら、事故が多くさまざまな問題が起きている。 しかも、穀物飼料のトウモロコシは90％以上を輸入に頻ら、現在、飼料には遺伝子組換えトウモロコシが混入し問題になっている。 しかも高齢化と米の輸入で減反が増え、値段が安いこともあって、粗飼料の藁はアジアの国々から購入され、口蹄疫も発生して問題になった。 そういうわけで日本の肥育牛は、高級肉を作るというごく一部の消費者の好みに肥育目標がおかれ、指導者も生産者も同じところに目標を定め、まるで東大を目指す日本の受験体制のような肉牛肥育になっている。