養豚場の農場HACCPの取り組み －農場HACCPの必要性と普及のために必要なこと－

摘要

食の安全、安心という言葉が世の中でにぎわいはじめたのは、わが国ではじめてBSEの発生が報告されたころだったと思う。その後、産地偽装や製造日偽装問題、最近では、中国産冷凍ギョウザ問題、メラミンの混入問題、そして汚染米の問題など、食の安全、安心の根幹を揺がすような事件が多発した。このような背景から消費者の「食の安全と安心」に対する要望も年々大きくなっている。　農林水産省は平成8年より飼養衛生管理基準を策定し、生産現場における衛生管理にHACCP手法を用いることを推進してきた。しかし10年以上を経過した現在も、農場HACCPの普及は遅々として進まない状況である。この現状を再度考え直し、農場HACCPを普及する上での問題点と普及のための新たな取り組みについて紹介したい。