エコフィード給与豚肉の理化学特性

摘要

食品製造工程で発生する副産物や食品残さなどを飼料とするエコフィードの利用が広がりつつある。その一方で、平成19年の養豚基礎調査の「リサイクル飼料利用調査」では、エコフィードを利用していない農家のうち、今後も利用を考えない農家が前年度に比べ増加していることが示された。 その主な理由の一つに、エコフィード利用による肉質の低下があげられる1）。 豚の場合、体脂肪が飼料の影響を受けやすいため、肉質の中でも特に脂肪の質が低下することが多い。 具体的には、酸化した油の給与により、過酸化脂質が豚の体脂肪に蓄積し、脂肪が黄色く風味が悪い「黄豚」や、エコフィードの租脂肪含量が高い場合に冷蔵状態の枝肉においても脂肪の「締まり」（≒硬さ）に問題があり、保存性も悪い「軟脂」が発生しやすい。 このような症状を示す豚肉は、いずれも見栄えが悪く、市場において格付が落とされる（格落ち）原因となり、価格が低下する。