情報開示で出てきた，原発事故後の甲状腺被ばく量の新たな測定値

摘要

2011年3月に発生した福島第一原発事故後の，住民の内部被ばくの評価，とりわけ住民の甲状腺被ばくに関する実測値は，ほとんどないといっていいほど限られている。チェルノブイリ原発事故で，因果関係が国際機関によって認められたのが小児甲状腺がんだった。ところが，福島原発事故後，甲状腺被ばくについて住民の測定は3件しかないといわれている。内訳は，国が実施した小児甲状腺スクリーニング検査が1080名，弘前大学の床次眞司教授らが測定した62名，長崎大学の松田尚樹教授らが測定した173名である。