国連についてもっと知ってもらうために

摘要

この連載で以前にも何回か書いたように、ナイロビ国連事務所(UNON=United Nations Office in Nairobi)は、そうと知らなければ公園と見まがう。さんさんと降りそそぐ金色の太陽の下、広々とした芝生の広場、豊かな緑の木立の中に、上ったり下ったりしながら続く遊歩道、しっとりとしたいくつもの沼地と池。木から木へと巧みに跳び回るサルの一家に、羽を休めるツルの親子。朝夕の鳥の合唱には、地球が人間のためにだけあるわけではないと諭される。陽射しがやわらかくなるタ方には、スーッをTシャツに着替えた職員がジョギングをしたり、健康のためのウォーキングをしたり。週末となれば、親子連れがランチボックスを持ってやってくる。おまけにここは、暑い夏とも寒い冬とも無縁だ。赤道直下ながら標高1800メートル、一年中さわやかで「夏の軽井沢のよう」といわれる恵まれた気候だ。