使いこなして獲得する水辺の公共空間

摘要

パブリックスペース、すなわち、公共空間は、住まう人々、訪れる人々が、かかわればかかわるほど、その存在の価値が上がっていく。また、時代のうつろいとともに求められる新しい姿にも変わっていける。「住むため」の場所として形づくっていくのであれば、なおさら、生活をしている市民の関与の度合いが、公共空間に色濃く反映される。しかし、まちを歩きながら眺めてみると、公共空間である公園や広場、道路や河川が、まだまだ使いこなされていない現状に気付かされる。使いこなして活動する市民の姿なしには、本来の公共性を獲得することができないにもかかわらず、なぜこのような状況なのだろうか？ここでは、水辺の公共空間のあり方について、現在、その取組みが展開されている水都大阪の試みを紹介しながら考えてみたい。