集団の解構造の画一性を利用した進化計算による解の改良推移:消費借入計画問題を例として

摘要

消費のための貯蓄と借入，保険への加入，金融資産への投資など，個人の家計は日常生活において様々な最適化問題に直面し，その都度，個人は経験的かつ定性的に解を決定していることが多い．また，実務分野においても，直面する最適化問題の解を経験的に決定しているケースが多々ある．本研究では，このような解を現実解' と呼ぶ．一方，現実解は最適解ではないケースも多い．個人の意思により現実解が決定されている状況において最適解を示したとしても，現実解と解構造が大きく異なる最適解の受け入れが困難な場合がある．