ゲノム編集技術を用いた組換え昆虫細胞の作製

摘要

昆虫細胞－バキュロウイルス系は、本来の立体構造 や機能を保持した組換えタンパク質の大量発現系とし て広く利用されている。しかしながら、本系はバキュ ロウイルスの感染により宿主である昆虫細胞が死滅し てしまうため、目的タンパク質を連続的に生産できな いなどの課題を有している。これに対し、プラスミド を用いて外来遺伝子を昆虫細胞に導入して安定形質転 換細胞を作製し、目的タンパク質を連続的に生産する 安定発現系が検討されている。本研究では、ゲノム 編集技術CRISPR-Cas9を用いた昆虫細胞の安定形質転 換株の作製について検討し、組換えタンパク質の生産 を試みた。