X 線管用カーボンナノチューブ 電界放出電子源の作製と階層構造制御

摘要

X 線撮影装置は、セキュリティ、医療、インフラ 診断等、様々な用途が期待されている。X 線は、真 空中で電子エミッタより発生した電子を高電圧で加 速して金属ターゲットに照射して発生させる。電子 エミッタは、熱電子放出型と電界放出型の2つに大別 され、後者はエネルギー消費が小さく冷却設備も不 要で小型化が可能という利点が大きい。カーボンナ ノチューブ(CNT)は先鋭で導電性と耐熱性に優れ、 医療用X 線撮影装置への応用も行われてきた[1]。 我々はより広範な応用を目指し、小型で安価なX 線 管の開発に取り組hできた[2]。 本研究では、CNT 電界放出型電子エミッタを簡易 なプロセスで作製しつつ、単位構造と集合形態を制 御することで性能と安定性に優れたエミッタの開発 に取り組hだ。