4輪インホイールモータ車のスタビリティコントロール,ヨーモーメントコントロール制御の検討

摘要

近年，地球温暖化問題やエネルギ問題に対して自動車業界はもとより官民においてさまざまな取り組みがなされている．次世代自動車候補である燃料電池車（FCEV）および電気自動車(EV)においても，モータや二次電池の技術に飛躍的な進歩が見られる．日本国内で市販されている電気自動車もJC08モードで軽自動車が100～180km，普通自動車が200km前後と，日常生活での使用に十分な航続距離を確保しつつある．充電インフラも各電気自動車メーカーの販売店を中心に増加しつつあり，販売価格も押さえられて来ているため，今後益々普及していく事が予想される．EVの駆動機構には，従来の内燃機関と同様にシャーシ上にモータを置き，ドライブトレインを介してタイヤに駆動力を伝える方式と，モータをホイール内に配置するインホイールモータ方式がある．インホイールモータには様々なメリットがある．駆動力がホイールへほとhど直接伝達されるために，エネルギ損失が少ない．車体全体の重量が軽量化され，容積が空くためにエンジン車と同等以上の室内スペースを確保することもできる．また，インホイールモータは各車輪を個別に制御する事で駆動力を自在に変更できる．これにより横滑り防止装置やトラクションコントロールシステムの適用も期待できる．