カルマンフィルタとマハラノビス距離を用いた鉄道車両用GPS位置検知システムの開発

摘要

本研究では，これらの問題点を踏まえ，カルマンフィルタを用いてGPS 測位値のフィルタリングを行うとともに速発積分の定常的な誤差係数を同定し，GPS 未使用時には最新の誤差係数を用いて速発信号積分の精度を向上させることを試みた．また，GPS 誤差変動にも対応するために，GPS 受信機信号から計算される測位誤差推定値だけでなく，決められた線路上を走行する鉄道車両の特徴を活かして測位値の線路までの距離や速発とGPS 速度（GPS 測位微分値の走行方向成分）との差をマハラノビス距離の統一尺度で表し，それに応じてカルマンフィルタの重みを変更にすることによりGPS測位精度の変化にも柔軟に対応できる実用的なアルゴリズムの開発を試みた．