CVD法による（Al,Cr）_2O_3皮膜の材料特性と性能評価

摘要

切削加工に対するコストダウンや省エネルギーの要求は近年ますます強くなり、加工のトレンドはより高速·高能率切削へとシフトしつつある。高速·高能率切削においてはコーティング工具が必須であり、特にAl_2O_3皮膜特性がその性能に大きな影響を及ぼす。これまで一般的に工具用のAl_2O3成膜にはCVD法が用いられてきたが、近年、PVD法によるAl_2O_3成膜も実用化が始まっている。また、最近ではAlとCr複合酸化物（（Al,Cr）_2O_3)や酸化クロム（Cr_2O_3）をアークイオンプレーティング法によって成膜し、それらの材料特性を評価した報告がされている。しかしながら、CVD法による（Al，Cr)_2O_3やCr_2O_3の合成やそれらの材料特性については報告がほとhどなされていない。