科学技術イノベーション教育としての社会実装コンテスト

摘要

我が国は，科学技術により社会変革を成し遂げられる国へ進化することが求められている．喫緊の課題は，実社会の課題を発掘し，課題解決に必要な科学技術を創出し，それを社会に実装する能力を有した人材育成と言えよう．本稿では，科学技術イノベーション教育の具体例として，社会実装教育について議論する．社会実装教育とは，学生が仲間と互いの強みを活かし，ユーザ等と共創しながら，現実の課題を解決していく画期的なエンジニアリング·デザイン教育の一つである．本稿では，2011年度からの6年間継続してきた「社会実装コンテスト」の位置づけ，実態分析，今後の方向性並びに課題について論ずる．この「社会実装コンテスト」とは，学生がチームで実社会の課題解決に取組hで価値創出し，その成果発表する場を意味する．