自律型自動運転自動車のフィールド試験に向けた環境構築～第2報 周辺走行車両モニタリングシステムの構築

摘要

現在世界各国において自動車の自動運転に関する研究が行われている[1],[2]．米国においては，Google社がネバダ州において自動運転自動車のナンバープレートを取得し，公道におけるフィールド試験を行うなど，特に米欧においてこの分野の研究が活発に行われている状況にある．一方日本においては，2011年12月に東京ビッグサイトで開催された東京モーターショーにおいて出展されたトヨタ自動車や金沢大学[3],[4]の車両など，一部でこのようなシステムが公開されているものの，公道での実験に関しては一切行われていないのが現状である．これは，日本国内の公道における自動運転自動車のフィールドテストに対する社会的受容性の低さが大きく影響しているものと考えられる．このような背景から，現在金沢大学では東部自動車興業株式会社（東部自動車学校）殿の全面的なご協力のもと，フィールド試験に準じるテスト環境構築を目指して様々な検討を行っている．本論文では，著者らの研究室で開発中の自動運転自動車の概要と，現在東部自動車学校殿において行っているフィールドテスト環境構築に関する準備状況の概要について報告する．