平面上にある三次元形状部品に対する安定性解析の実験的検証と把持指との接触点位置を考慮したぐらつきにくさの導出

摘要

本論文では平面上に置かれた実際の工業製品の部品である三次元形状部品に対して加振機を用いた実験を行い，その実験結果と安定性解析結果の比較を行った．比較の結果，底面として丸みを帯びた部分が接地している姿勢や安定度が非常に低い姿勢以外の安定姿勢に対しては，安定性解析の結果は実験結果に近く，安定性解析結果によってより安定している順に安定姿勢に順列をつけ，実験結果によっても同じ操作を行ったときその順番は等しくなったため，安定性解析の結果は妥当性があることが検証出来た．また，接触点位置を考慮したときの物体のぐらつきにくさを，物体がぐらつくまでに許容出来る最少の力の大きさである耐ぐらつき限界接触力を用いて導出する手法を提案した．提案した手法を実際の工業製品の部品に適用した結果，妥当な結果を導くことが出来た．今後の課題としては，耐ぐらつき限界接触力として算出された値を実験的に検証することが挙げられる．