気道管理教育訓練システムWKA-4の開発－訓練者手技の定量的な情報をフィードバックする医療訓練方法の有効性の評価·実証

摘要

従来の医療手技は，長年の修練と個人的経験により培われた技術であるため，理想的な医療手技に関する明確かつ具体的な指針は未だに定量的に表現されていない．また平成17年から平成22年まで，医療事故が増えており，その中で医師の未熟な手技が原因となっているものも多いといわれている[1].そのため，医療事故を防止と，医療手技の質の向上のため，医療訓練を行う必要があると考えている.そこでわれわれは現役の医師が有する手技を定量的に評価し，フィードバックを行うことで医学トレーニングの効率化が可能であると考え，医学分野と工学分野を融合し医療教育用ロボットの研究開発を始めた．本稿では，新たな気道管理教育訓練システムWKA-4について簡単に述べる．また，医師郡および二つの学生郡を対象に，WKA-4を用いて気道管理の一つの方法である気管挿管を行うことで提案した医療教育訓練システムを用いた医療訓練方法の有効性を評価·実証について詳細に述べる．