カーボンニュートラルに貢献する系統・需要間エネルギーサービスの国内外動向

摘要

2020 年以降，電力システム改革の最終段階として電力市場の創設が相次いでいる。2020 年7 月の容量市場初回オークション実施，2021 年4 月の需給調整市場の三次調整力②のスタート等である。また昨年末から年初の厳冬期には需給逼迫からスポット市場価格が高騰するなど，エネルギーを取巻く複雑な環境や心理が電力市場運営の難しさを示している。こういった中で政府は2050 年カーボンニュートラル宣言を昨年11 月に公表し，各業界では熱く目まぐるしい議論が続いているが，再エネ主力電源化に伴う系統対応やコスト対応が今後の課題である。一方，米国では久々にNISTのスマートグリッドフレームワークが改訂された。制度改革が進む欧米で一層需給一体運用が検討されるが，改訂の中でも需給一体の実現にはまだ検討の余地が語られている。本稿ではその概要について紹介する。