肌理の明瞭度変化が『空間のあかり』への気付きに与える影響その２被験者実験による因果関係の検証

摘要

前報（その１）では、『空間のあかり』への気づきと肌理の関係性に関する検討、及びエッジ量を用いた定量化方法の検討を行った。本報（その２）では、『空間のあかり』への気づきに関する仮説の検証実験を行う。『空間のあかり』への気づきが、ある一定量の肌理の明瞭度の低下によって引き起こされること、『空間のあかり』への気づきに対しては、照明の色度変化よりも肌理の明瞭度の低下が強い因果関係を示すという仮説を検証することを目的とする。実験空間を図1に示す。模型の最も奥の面から1500mmの地点に観察点を設ける。評価対象となる模型のサイズは奥行300 ×幅300 ×高さ400mmとし、肌理の粗さ・素材が異なる7種類の模型を用意する。肌理の粗さの違いを出すため1mm/3mm/6mm/の三種類の粒径をもつガラスビーズを均一に貼り付けた。表面の色が判断に与える影響を観察するために6mmの粒径を持つ模型のみ、3色塗装変えたものを用意した。また、人工的な面だけでなく自然な面についても検証するため、ル・トロネ修道院の素材を参考にし、2種類の石板を用いた模型を作製した。