ロボット教材を用いた中学校教員に対する研修の報告

摘要

近年，急速な情報化やグローバル化が進み，AI技術の発達により定型的業務や数値的に表現可能な業務が代替可能になった。これらの技術革新により，社会構造や雇用環境は大きく変化しており，予測が困難な時代となっている。このような時代にあって，これからの社会を担う子どもたちへの教育についても工夫が求められている。全国のどの地域で教育を受けても，一定の水準の教育を受けられるようにするため，文部科学省が学校教育法等に基づき、各学校で教育課程(カリキュラム）を編成する際の基準として定めている中学校学習指導要領が平成29年に告示された(以下，新学習指導要領)。その中では，これからの社会に進出する中学生に身に付けるべき，資質•能力や指導内容について示された。現行で実施されている平成20年に告示された学習指導要領の内容に加え，新たに明記された内容がある。また，中学校技術•家庭科(技術分野)(以下，中学校技術科)の授業で中学生に対する計測•制御の内容を指導する際には，問題を解決する学習活動が重要になっているなど，教員の授業の改善も求められている。そのため，新学習指導要領を踏まえた現職中学校教員に対する研修を実施していくことが必須になってくると考えられる。そこで，本研究では新学習指導要領を踏まえた計測•制御の内容を指導ができるようになるための現職教員に対する研修カリキュラムの開発を行った。