ウェハレベル真空封止を適用したIMU 用MEMS ジャイロ

摘要

本報告では、ウェハレベル真空封止を適用した振動型MEMS ジャイロの構造及び特性について述べた。初めに、設計・試作したMEMS 素子の構造および動作原理を説明した。次に、ウェハレベル真空封止を実現するGSG 構造素子の作製方法を示し、小型化の効果について説明した。最後に、実測評価を行い、その結果、入力角速度±1500 deg/s の範囲において、SF 非線形性は±0.004 % of FS 以下、ARW は0.0034deg/√h、BI は0.059 deg/h を確認し、GS 構造の従来品とほぼ同等の性能を維持しつつ小型化を実現する見通しを得た。なお、長期安定性に関しては若干の劣化が見られており、引き続き調査検討を進めている。また、今回開発したGSG 素子の評価では入手性の良いカタログ品のセラミックパッケージを用いており、小型化の程度は限定的である。今後はさらなる小型化に向けて検討を進める予定である。