量子現象に基づく電磁界センサにおけるガラス製Cs セルの侵襲性に関する一検討

摘要

本研究では，従来の高周波電磁界センサの金属製アンテナに代わり， 133Cs の気体を封入したガラス製のセルを利用し，原子の構造と基礎物理定数に基づく高周波電磁界センサの実現可能性に関する初期検討を行っている．本報告では，使用するガラス製セルによる，被測定高周波電磁界への侵襲性について，一つの検討を行ったので報告する．2 ．133Cs 気体の封入用ガラス製セル本研究で使用している133Cs の気体封入用ガラス製のセルを図1 に示す．セルの外寸は40 mm×10 mm×22.5 mmであり，ガラス壁の厚さは1.5 mm である．なお，セルの外寸がこのようなサイズであるのは，導波路内の電磁界計測を行っている先行研究[1]で使用した，X バンド帯用のWR90 導波管の内部に収まるサイズに設計したセルをそのまま利用しているためである．また，セル内部には133Csの気体ガスが封入されている．