リング拘束供試体を適用した補修用モルタルの爆裂発生プロセスに基づく爆裂性状に関する一考察

摘要

本論文は，リング拘束供試体を用いた加熱試験を，ポリマーを含む補修用モルタル（PCM）に適用して検討した．すなわち，モルタルの拘束応力と水蒸気圧を測定し，爆裂性状を確認することを試みた．モルタルは耐火性を有する市販品PCMを2種類使用し，比較用に普通セメントモルタル（NCM）を用いた．加熱条件は，RABT30とISO834標準加熱曲線の60分加熱とした．試験の結果，NCMの爆裂性状は，コンクリートの爆裂評価と同様の条件で評価できる可能性があることを確認した．一方，今回用いた PCMはNCMよりも拘束応力が小さく，爆裂が生じなかった．PCMの拘束応力の挙動はコンクリートと異なっており，爆裂発生条件が異なる可能性があると考えられた．