凍結乾燥法による酸化マンガンナノシ一卜多孔質ガス吸着感応膜の作製

摘要

近年，呼気中の気体物質の濃度から病気を予 測するという方法が注目を集めている.その中 でも，呼気中におけるメチルメルカプタン(MM)の濃度の増加は，歯周病のような歯に関 わる病気に関係することが知られている.これ は極低濃度であることからppbレベルで検知 できるガスセンサの作製が求められる.我々は, バーネス鉱型層状酸化マンガンナノシート (MON)[1]を水晶振動子(QCM)上に製膜するこ とにより，20 ppbのMMを検知できるガスセ ンサを報告してきた[2].—方，凍結乾燥によ りナノ材料を高比表面積化させる方法が注目 を集めている[3].この方法は，材料を水に分散 させ，その溶液を凝固し，凝固させた氷を昇華 させる方法である(Figure 1(a)).この方法では， 液体状態からの乾燥方法と異なり，材料の流動 性が失われるため，多孔質な材料の作製に期待 できる.そこで本研究では，凍結乾燥法により 多孔質MON(FD-MON)を作製した.さらに， 作製したFD-MONをQCM表面に製膜し，MM を低濃度で検知できる高感度なガスセンサを 作製した.