アルミニウムDCエッチング箔のアノード酸化による多孔質アルミナテンプレートの作製とナノカーボン材料合成への応用

摘要

多孔質アノード酸化アルミナをテンプレートとし，そのポア内に様々な物質を析出させ，ナノ材料を合成する研究が最近数多く報告され，その応用が注目されている。最近，筆者らは，ポリビニルアルコいル（PVA）やポリ塩化ビニル（PVC）などが不活性ガス中で熱処理すると, その炭素化の過程で液状化するという性質に着目し，シュウ酸溶液率や硫酸溶液中で作製した多孔質アノード酸化アルミナ膜とこれら高分子の混合物を熱処理することで, ポア内に高いアスペクト比をもったカーボンナノフィラメントが生成することを報告した。また，このように作製した炭素はナノフィラメントの長軸方向に炭素六角網面が積層したプレートレット構造を持っていることも明らかとした[1]。 本研究では，通常のアルミニウム箔の代わりに電解コンデンサに用いられているトンネルピットをもつアルミニウムエッチング箔をアノード酸化したテンプレートを用いることで，PVCを原料として'試験管ブラシ'状のナノカーボン材料が得られたので報告する。