Trial Teaching of Coordinated School Subjects in a Teacher Training Course（Part7） ― Implementation and Evaluation of Lessons in Coordinated Art and Home Economics Education : Focus on Curriculum ―

摘要

本研究は、2009年より取り組んでいる「学校教員養成課程における教科連携による授業実践に関する研究」の一部をなすものである。研究の流れは、①学生に対する意識調査、②連携モデルの提示、③連携モデルの実施、④実践後の評価となっている。これまで、学生の実態調査をもとに、教科連携のモデルケースを検討・実施した（実践1）。この実践を通して、学生の授業づくりの視点の広がりや教科連携に対する意識化が促され、一定の成果が得られた。しかし、同時に系統性のあるカリキュラム開発や両教科の教科性をより発揮できる場面の設定、評価シートの改善などの課題も明らかになった。　本稿では、これらの課題をもとにモデルケースを改善し、実践（実践2）を行った。実践1と実践2の相違は、授業過程に「つくる」過程を意図的に設定し教材づくりに取り組むことで、授業づくりの能力向上と学生の教科連携への意識化などを期待した点にある。本稿では、授業づくりの視点から、その成果と課題を報告する。「つくる」過程を設定することで、授業づくりの資質や能力に対する視点の広がりと共に、その偏りが解消される結果となった。また、授業づくりにおいて、対象や目的が明確となり、授業に大切な目標や内容、方法などの要素がイメージしやすくなったこと、「誰に、何のために、どのように実施するのか」を常に意識しながら題材研究に取り組めたこと、その過程において授業づくりの幅広い視点や資質や能力を身につけたことが示唆された。