高QoSマルチメディア光配信システムの研究開発－COFトランシーバー

摘要

総務省の調査によるインターネットの加入数はADSL （最大24 Mbit/s）が約1180万加入，CATV（最大30 Mbit/s）が約266万加入，FTTH（最大100 Mbit／S）が約133万加入となっており，ブロードバンドインフラが急速に普及し，インターネットの利用者が急増している。 しかし，これらのサービスはベストエフォートであるため，1つの回線を多数のユーザが共有した状況や，常に大容量を使うユーザが存在すると実行速度が低下する。 このように現状のネットワークインフラでは十分なサービスを受けることができなくなるため，今後のアクセスネットワークには帯域管理が必要になる。また，これからADSL並に普及が予測されているFTTHでは光ファイバの敷設量·センタ装置の設置スペース·消費電力等の問題が発生するため，パッシブな光部品で分配することによりセンタ装置および光ファイバを共有するPON (Passive Optical Network)システムが有望視されている。 しかし，PONシステムは接続されている全てのユーザ向け情報を全てのユーザに分配し，ユーザが自宛の情報を選択するため，セキュリティ性が欠けるという問題がある。 これは単にユーザ情報の保護というだけではなく，課金サービス（映像配信など）を侵害することもあり，新サービスの進展が望めなくなる恐れがある。 したがって，次世代のアクセスシステムは，帯域管理とセキュリティを考えなければならない。