LNG燃料船の動向と見通し(前編)

摘要

船舶からのSO_x (イオウ酸化物）等の大気汚染物質の排出は、その多ぐが海洋上であり人が住む陸上には影響を与えることが少ないということから、燃料価格が安いC重油が現在でもなお多く使用されてきている。しかしながら、国際ガス連盟（IGU： International Gas Union)のレポートで、「海上輸送は、道路、航空、鉄道に比べて、単位当たりのCO_2排出量の観点から最も炭素効率の高い輸送方法であるが、船舶による大量の輸送活動は絶対的に大量の排出量となる。大型コンテナ船1隻で5,000万台のデイーゼル車と同量のSO_xを排出している。その70% は沿岸から400km以内の近海で発生しており、沿岸域の人々の健康や環境に大きな負担となっている。」と述べられているように、近年は船舶運航による大気汚染も改善すベき課題と認識されるようになってきた。