ペプチド脂質の自己組織化能を利用した新規ゲル基剤の調製とその経皮吸収特性

摘要

近年、一般的な高分子から形成されるハイドロゲルと異なり、小分子の自己組織化能を利用した 超分子ハイドロゲルが、注目を集めている。今回は、ペプチド性ゲル化剤Palmitoyl-Gly-His（以後Pal-GH）からなるハイドロゲルの様々なゲル化特性を検討し、本ペプチド脂質によって形成され るハイドロゲルが、新たな機能を有する経皮吸収基剤となることを見出した。今回ヒアルロン酸（HA）の経皮デリバリーを例にとり、HA封入ハイドロゲルを作製し、その最適調整条件の選定、皮 膚浸透性評価及び皮膚浸透経路の解明について検討を行ったので、その結果を報告する。