圧電高分子からの空中超音波による画像形成－圧電高分子で高周波超音波を送受信して空中の物体像を見る

摘要

音波画像をMHz帯の超音波で形成するためにはトランスデューサと観測対象物間の音響伝搬媒体として、液体カプラ（主として純水）が一般的に用いられている。 しかし、対象物体によっては，空中超音波、すなわち、空気をカプラとした超音波を用いるのが理想的である場合が多い。 諝荬我繇懃ぅ螗冤`ダンスはトランスデューサ材料のそれと比較してきわめて小さいので、空気中ではトランスデューサの送波·受渡の効率が極端に低下するのに加えて、空気中における超音波の減衰が使用する周波数の2乗に比例し、水と比べて3桁も大きいので、MHz帯での空中超音波による画像形成は困難であった。 近年、空中超音波を用いて、炭素繊維複合材料の検査や火傷の診断などを行う研究が進められている。 しかしその周波数は数100kHz以下にとどまっている。 MHz帯の空中超音波に関しては、Foxらが音響マッチング層を付加したセラミック圧電材料PZTのトランスデューサを用いて、2MHzで画像を形成したことを報告している。しかし他には高周波領域での画像形成の例はみられない。