15年度も18.4％の大幅な前年割れ16年度は重換1,965万klの回復か

摘要

昨年度の原子力発電量は10電力合計2,400億kWhと集計され，前年度の81.6％へ後退した。 3,000億kWhの大台割れは2年連続。 平成14年夏に発覚した東京電力のひび割れ隠しの影響が続いていたためで，発電量の前年割れは13年度から3年連続になった。 減少した発電量は540億kWhにも達した。 重油消費量に換算して1,225万klもの火力発電用代替燃料を必要としていた計算になる。 　 電力業界は，昨年度の原子力発電量を3,200億kWhと想定していた。 14年度の実績を257億kWh上回り，3,000億kWhの大台を回復する形になっていた。しかし，東京電力の運転再開が大幅に遅れたほか，他社でもトラブル停止が発生したことから計画を25％も下回ってしまった。 計画に届かなかった発電量は800億kWh近くにも達した。 重油消費量換算で1,810万klもの燃料焚き増しが必要になっていたことになる。 　 運転再開がずれ込hだ結果，発電量は今年度で盛り返すことになる。 新年度に入っても不透明だった東京電力の再開見通しがようやく固まり始めたことから，5月分以降の発電量を今年度の運転計画に基づいて試算すると，10電力合計は3,267億kWhとなり，昨年度実績を36.1％，867億kWhも上回る。 重換量で1,965万klもの脱燃料効果を持っている。そのうち上期が1,270万kl，下期が695万klで，脱燃料効果の3分の2が上期に集中する。 また，東京電力の回復は上期が重換995万kl，下期が680万klの合計1,675万klと試算され，脱燃料効果の85％は東京電力に集中する状況にある。