音響·振動問題解決における音源可視化: 4chビームフォーミングによる音源可視化システムの紹介

摘要

音響·振動問題に直面した際，我々が描く問題解決プロセス（図-1）では実験解析による現状把握が最初のステップとなり，特に音の問題では「音源位置がわかること」で音響·振動の専門家でなくても現状把握が進み，解決時間短縮の効果がある。騒音低減のニーズは幅広いが，自動車産業を例に挙げると100年に一度の変革を迎える中で，1) 燃費性能要求の高まり：部品軽量化に伴うNV性能劣化への対応 2) 電動化：エンジン音でマスキングされていた音への対応 3) 騒音の健康影響顕在化：車外騒音規制への対応 以上の社会的背景から，静肅性向上を求めるニーズは減ることなく今後も増える傾向にある。自動車開発は開発期間の短縮を目的に，モデルベース開発にシフトしているが，市場で発生した問題に対して「いかに早く解決し，次期開発品へ反映させるか」が重要であることには変わりはない。ここではこの問題解決の導入部に役立つ音源可視化システムを紹介する。