環境振動

摘要

環境振動における今後の展望としては，多様な振動源に適用できる汎用的な高精度予測手法の開発か望まれ，数値解析手法が多く用いられることが想定される。 その際，数値解析で使用する振動の加振力，構造物·地盤を含む伝搬系のモデル化が重要となってくると考えられる。また，計算された波形からどのような評価値を算出するかは別途検討が必要である。 また予測以外の問題として，振動実態を把握するための統一的な家屋内振動測定方法，住民反応調査手法，住民反応調査結果のデータベース化，苦情実態に整合する評価値，複合影響の評価なども早急に検討が必要である。 さらに，不快な振動環境を改善するための振動源対策，伝搬系対策，受振系対策などについても現在の技術の性能評価や新技術の開発なども促進すべきである。 将来的には，GISを用いて振動源周囲の家屋情報，地盤情報などを利用する広域的，時間的視点を考慮した振動予測技術の開発や振動環境のモニタリング手法の開発も望まれる。