食品事業者に知ってほしい最新の食物アレルギー治療～ひやりはっと事例から学ぶ食物アレルギーの問題点

摘要

藤田保健衛生大学 総合アレルギーセンター小児科ではアレルギー誤食防止策の一環として，食物アレルギー患者が実際に体験した事例を収集検証し，対策をまとめた「食物アレルギーひやりはっと事例集」（図1）。を毎年作成している。今回はその中から食品表示と外食に関連する誤食事例を紹介する。食物アレルギー診療における食事療法は2012年発行された食物アレルギー診療ガイドラインにより大きく様変わりをしている。以前までは食べられる量に関係なくアレルゲン食品は完全除去を指導していたのだが，患者が食べられる摂取量までを食べる「必要最小限の除去」指導に変わったのである。そのため，必要最小限の除去指導に役立つツールとして，我々が作成している「加工食品のアレルゲン含有量早見表」についても紹介する。