人工内耳装用者の音楽的嗜好に関する調査研究

摘要

人工内耳装用者の音楽の嗜好の実態と，日常生活における聴き取りの諸要因の関連について明らかにするためにインターネットを介した質問紙調査を実施した.その結果，回答者の多くが音楽を聴くことを好hでおり，楽曲の詞についても概ね聴き取れているとする傾向があった.また，言語音や非言語音に対する聴き取りへの認識およびハンディキャップに対する認識と，音楽の嗜好との間に関連が見られた.加えて，日常生活における聴き取りの成績が悪い場合には，音楽への関心が低くなる傾向が推察された.このことからも，人工内耳装用者の聴き取りの個人差を踏まえた環境の改善や支援機器の開発が必要と考えられた.