着座時揺動による会話者の行動の同期性検出に関する検討

摘要

我々は，ユーザの状態や状況をユーザに意識させることなくセンシングするために，座面下に4つの圧力センサを備え，非装着·非侵襲に座面の重心位置と重量を取得でき，ユーザの作業を阻害しないセンシングが可能である椅子型デバイスSenseChairを実装し検討を進めている．本稿では，SenseChairを複数台用いて，着座しながら会話をしている会話者の行動の同期性を検出する手法について検討する．SenseChairによって得られた会話者それぞれの時系列重心重量データを周波数解析し，振幅スペクトルの時系列データを用いてスペクトログラム画像を作成することで，会話者の着座時の揺動の大きさを可視化した．さらに参加者全員分の画像を重ね合わせる処理を行い，会話時間における揺動の同期性を検出可能な画像を生成した．この画像と実際の会話の様子を比較することで，会話者の着座時揺動による行動の同期性の検出が可能であることが示された．