20世紀の学校づくら

摘要

20世紀の後半、平成の始まり（1985年前後）の頃は、少数の学校建築改革の試行例を除き、日本の公立小中高等学校のほととhどすべての建築が、ハーモニカ校舎とか、羊糞を切ったようなと形容されている標準的な鉄筋コンクリート造（以下RC造）校舎だった.そのルーツを求めると、学制発布後の明治28年にさかのぼるが、この時、文部省より木造校舎を対象にした校舎建築のぁり方を示す「学校建築図説明及び設計大要」という標準設計が示され、この中で推奨された廊下の片側に「4間×5間」の教室を並べる「片側廊下型校舎」により、以後日本の木造校舎が全国的に建設される0この時期、諸外国では、中央廊下の両側に教室を置く「中廊下型校舎」を導入するところも多く、戦前の大学校舎にはこれらを取り入れた例もみられる。 全国に画一的木造校舎を作り出したこのタイプは、第2次世界大戦後の鉄筋校舎の標準設計策定に踏襲され、「7mX9m」教室を用いた3階建を標準にした片側廊下型校舎が全国各地の校舎建設に使われてきた。