周期加熱サールリフレクタンス法によるマイクロスケール領域の熱物性評価技術

摘要

材料物性値を知ることは，機械設計や電子デバイス設計など様々な製品を生み出す上で必要不可欠であることは言うまでもない．また新たな機能が期待される新材料創製においても差別化の指標となるのが材料物性値である．ひとくちに材料物性値と言っても，熱物性·機械物性·電気物性·磁気物性など，その研究目的によって着目すべき物性値は異なり，当然，測定·評価技術も千差万別である．物 性値を知るということは，対象となる材料に外部から何かしらのエネルギーを与えたときの材料の反応を定量的に観測することであり，その反応が原子·電子·結晶構造など 材料固有の特徴から生じていることが，特に実験技術を基盤とする研究者·技術者には興味の本質であると自身も感じている．特に半導体や MEMS (Micro Electro Mechanical Systems)分野における薄膜·微粉末などの機能性材料や，表面改質·ヘテロ界面などのマイクロ·ナノ領域における材料物性評価技術は，材料開発と並走して発展し続けなければならない．