世界初の電池駆動部市ガス警報器を実現した超低消費電力MEMSメタンセンサー技術の開発

摘要

環境負荷の低いエネルギー源として天然ガスの重要性が 一層増している中，その探査·採掘·輸送·供給·消費の 安全·安心を確保する上で，メタンセンサーを搭載した検 知·警報機器は重要な役割を担っており，全国設置数は 一千万台を上回っている。都市ガス消費段階の更なる安全· 安心向上の観点から，万一のガス漏洩を検知する都市ガス 警報器の普及率を向上させることが望まれているが，空気 より軽い都市ガスを検知するために天井付近に設置するこ とが必要である一方，センサー素子加熱電力等を供給する ため電源配線が必要であった。これに伴う制約や美観上の 問題が一因となり，その普及率は40％前後で停滞してき た。普及促進のためにコードレス化が強く望ぎれてきた が，数年間電池電源駆動するには，センサーの消費電力を 従来の数百分の一に削減する必要があるため，都市ガス警報器の長期電池駆動化は，永年「夢の技術」と言われてきた。