入院患者の発熱—症例に学ぶ抗菌薬使用のピットフォール

摘要

非感染症による発熱や炎症所見上昇の鑑別を考慮し，抗菌薬を使用しない判断をすることも抗菌薬適正使用支援チ一ム(AST)の重要な役割のひとつである。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)や基質特異性拡張型beta-ラクタマーゼ(ESBL)産生菌など の耐性菌は，単なる定着の状態であり抗菌薬治療を必要としない症例も多い。抗菌薬の効果判定に迷う場合は，グラム染色や培養といった微生物学的検査が改善しているかを確認 する。