超小型ガスタービン用発電機の開発

摘要

フィンガートップガスタービンに搭載可能な超小型発電機器の実現を目指して，電界式発電機および磁界式発電機の検討を行った。 電界式発電機に関しては，まず回転体としての成立性評価を目的にシリコン加工法によってエアータービンを試作して回転試験を行い，6000rpmまで安定回転できる事を確認した。 フィンガートップガスタービン実現のためには更なる高回転化が必要になるが，それには加工精度のより一層の向上と粘性損失の大幅低減が課題であることを明らかにした。 磁界式発電機については出力評価を目的に，従来加工法によって外形Φ8×L18.5mmの発電機を試作して回転試験を行った。 巻線仕様をΦ0.1×95ターン×3コイルとした発電機を50000rpmで回転した時に，2.5Wの発電出力を得た。 また，ヨーク材料として3％珪素鉄を選定することで鉄損を低減できる事を示した。 これらの試験結果を用いて仕様回転数50万rpmでの発電出力を見積もると，41Wの出力が得られる可能性があることから高回転·高出力仕様のフィンガートップガスタービン用超小型発電機器の実現可能性を見出した。