ガスタービン技術の応用－携帯用ガスタービン発電機の開発

摘要

IHIエアロスペースでは小型ガスタービンおよびターボチャージャの技術を応用し，世界最小の携帯用ガスタービン発電機（ダイナジェット2.6:2.6kW）を開発した。 発電出力10kW以下の携帯用·可搬式発電機の世界市場規模はおよそ100万台／年であり，海外工場での生産分を含めて，その7割をわが国が供給している。 他方，国内の需要はおよそ10万台／年でここ数年は推移しているが，IT化が進む中で小型·高電気品質電源の業務用，非常用分野における今後の需要拡大が期待される。 本分野においては，小型·軽量，低騒音·低振動性，コンピュータに直結できる高電気品質，燃料の長期保管性（非常用向け）などが必要とされるが，従来のレシプロエンジンを用いた発電機ではこれらを高いレベルで満たすことは困難であった。 そこで，小型ガスタービン技術を応用し，これらのニーズを満たす次世代の携帯用発電機の開発を行ったので，その概要を述べる。