ソラマメ子実の登熟過程における糖類と遊離アミノ酸の含有率の変化およびその食味に及ぼす影響

摘要

ソラマメ（Vicia faba L．）はマメ科の2年生草本で，我が国には奈良時代にインドから伝来したとの説があるが，史実上の記録として初めて登場するのは江戸時代になってからであり，その有用性について『多識篇』や『農業全書』など，いくつかの文献で述べられている．現在日本で栽培されているソラマメほ，明治時代初期に導入、試作されたヨーロッパ，アメリカ系の品種にその源をたどることができる．　古来様々な方法により利用されてきたソラマメではある　が，現在ではユダマメ同様未熟種子を加熱処理し，食卓に　供されるのが我が国における一般的な利用方法のひとつで　ある．エダマメやスイートコーンなどの生食用豆類の食味　には糖類ならびに遊離アミノ酸が大きく影響していること　は増田ら（1988，1997）により報告されている．