脳性麻痺に伴う股関節脱臼;亜脱臼に対する 大腿骨減捻内反骨切り術の治療成績と家族の満足度

摘要

脳性麻痺患者の股関節脱臼;亜脱臼に対する大腿骨減捻内反骨切り術の治療成績および 家族の満足度を評価した.術後1年以上経過観察し得た14例19股が対象である.整形外科的選択 的痉性コントロール手術，観血的脱臼整復術，大腿骨減捻内反骨切り術を全例に施行した.評価方 法としてX線評価はmigration percentage, Shenton lineの乱れ，tear drop distanceの変化を術前， 術直後，最終調査時で評価した.運動機能の評価は松尾の16段階評価を用いた.また手術に対する 家族の満足度を5段階で行った.1股で術後早期に完全脱臼を認めた.4股は最終調査時に亜脱臼の 状態であつたが整復不足，減搶不足，短縮不足などが原因として考えられた.運動機能では機能向 上を認めた症例は14例中5例(36%)であったが，家族の満足度では17股(79%)で満足を得られた. 運動機能の改善率に比べ，家族の満足度は高かった.